安住るり

3月11日から百日が経ち、福島第一原発の被害状況が、非常に深刻なものであることが確認され、一般市民レベルの自発的な「脱原発」の要求は、刻々と熱気を帯び、デモ、パレード、署名などのうねりは高まる一方です。

フクシマの原発事故発生当初から、菅総理は、かつて東工大で物理を学んだ基礎知識と直感から、放射能汚染の「最悪の事態」を想定していました。
しかし、自民党時代に構築された「原発推進のみ」で固められた「原子力管理システム」を、いきなり無視することなど行政面でも政治的にも時間的にも、不可能でした。
また、「政治のトップ」にある立場では、科学技術の面だけではなく、あらゆる観点からの様々な「配慮」が求められます。何をやっても必ずどこかから批判がくるのです。

いまでこそ多くのメディアが、当然のように「脱原発」を語っていますが、3ヶ月前を振り返ってください。「原発の被害はたいしたことない」「政府は騒ぎすぎるな」「総理は原子炉には詳しいと言っているが、何も分かっていない」など、事故を過小評価する声が圧倒的でした。

しかし、複数の原子炉が次々に爆発し、放射能の飛散や漏出をとめる術がないことが分かってくるにしたがって、論調は変わり、「事故後の対応が悪いから深刻な事態になった」と、首相に非難が集中するようになりました。「誰か」を悪者に仕立てなければ、収まりがつかないからです。

また、事故発生翌朝に、東電による「ベント」がなかなか行われないのに業を煮やして菅総理がフクシマの現場に乗り込んで「（電源復旧できないのだから）手動でベントせよ」と命令し実行された事実を、まったく歪曲して、「総理の視察がベントを遅らせた」という嘘が大々的に言いふらされ、いまだにそれを信じている人もいます。

そのような様々な「妨害」が、原発事故だけでなく、超広域複合大震災対応全体の状況を更に悪化させましたが、そこに、新政権下で発生した「大震災」を利用して2年前の「政権交代」を逆戻りさせようという策謀が渦巻きました。国民からすれば、まったく許しがたい「既得権勢力の逆襲」です。

２年前に日本が「政権交代」出来たのは素晴らしいことでしたが、戦前から延々と続く強固な「官僚制度」は、ほとんど何も変わっていません。

●自民党時代から、「霞ヶ関改革」の試みは、ことごとく潰されてきました。
新米（しんまい）の民主党政権が、いくら「政治主導」と力んでも、この「官僚主導体制」を簡単に変えられるわけがありません。改革には「時間」が必要です。

●いまの民主党政権は、「半世紀以上続いた自民党時代の尻拭い」をさせられているのです。
ところが、日本のマスコミは、既得権勢力の一部ですから、新政権発足直後から、粗探し、足引っ張りばかりで、「政治主導」ができるような政権に「育てる」ということをまったくせず、逆のことばかりしてきました。

そのうえ、「政治」にはつきものですが、
●新政権内部の「権力闘争」で、与党の一部が既得権勢力の一部と同床異夢で「密通」する、という、実に国民不在の嘆かわしい状況になっています。
永田町の「政局」ばかりを報道するマスコミに惑わされず、一般国民は、それこそ「自分のアタマ」で、「本質」を見極められるように、真剣に学び、賢く辛抱強くなって、主体的に、世直しをしていかなければなりません。

●日本はアメリカのような大統領制ではありませんから、総理大臣は、「官僚という壁」に囲まれた「独房」にいるようなものです。
本人の意志が、ほとんど通らないのです。
原発推進マスコミは、それが分かっていながら、この超巨大複合大災害に必死で取り組んでいる現内閣をここぞとばかり批判して「悪者」に仕立て、菅内閣がやろうとしている★「エネルギーの民主化」への転換を全力で邪魔しています。

●「菅ヤメロ！」と言っている政治家たちは野党も与党も全員が、それぞれに、日本の【今後のエネルギー政策を「どうするつもり」なのか】、明言すべきです。

●国民は政治家（国会議員と知事たち）に、それを問い詰め追求していきましょう。

安住るり 2011/06/19
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◎参考動画１：「エネシフ・ナウ！」, 「エネシフ・ナウ！」 SoftBankCorp on USTREAM. Conference
第一部 エネシフジャパン（超党派国会議員の勉強会）
国会議員の「エネルギーシフト勉強会」に、「経営者」孫正義氏が登場した。
エネシフ勉強会　2011/06/15　録画時間: 30:23
超党派で200名を超える国会議員が自然エネルギーに賛同・・・続々増加中（鳩山由紀夫も締め切り後、最近加入した）

孫さんの演説ポイント
…＞たとえば、日本中に、耕作放棄地が広大に存在する。
農業を継ぐ人がいなくなって、放置されている。そういう土地の何割かでも、「農地」のままでいいから、「一時使用」でいいから、太陽光発電パネルを置かせてもらえば、菅首相が（勝手に？）国際公約した2020年代に「再生可能エネルギー２０％」などは簡単にクリアできる。
田んぼで発電すれば「電田（デンデン）」！
ほかの小規模発電をも、推進するために、【全量買取制度】をただちに国会で決めるべきだ。
欧州各国でやっていることが、日本で出来ない理由がない。
その「枠組み（法律）」だけを、国会の政治家のみなさんは、つくる、という役割を果たしてもらいたい。
何党もクソもあるもんか！　足の引っ張りあいしてる場合か！
「すべての国民に【発電権】を！【売電権】を！」と、憲法に書き加えたいくらいだ。
それさえできれば、あとは、民間が、企業が、個人が、農家が、勝手に、発電所になる。
新エネルギー市場は、100万人の雇用を生む。原発による雇用をはるかに超える。
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孫正義さんの再生可能エネルギープレゼンを聞いて議員からエール
１）前田たけし参議院予算委員長（民主党）
２）自然エネルギー議員連盟　事務局長 加藤修一（公明党）

最後に　ふたたび、日本電田党党首！　孫正義氏から

自然も生き物　我々も生き物
40億年かけて今がある
地球を壊すのは一瞬だ

子供たちを守るためにみんなで一緒に頑張りましょう！

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◎参考動画２：続いて第二部　民間25団体主催：★　後半に菅総理あいさつ

プレスクラブ （2011年6月1５日）

右はご存知孫正義氏。左の菅総理の向こう側には松田みゆきさん、小林武史さん、宮台真司さんなどが、再生可能エネルギー促進法案の成立を要請。

孫さんは、「あと10年、菅さんに頑張ってもらいたいくらいだ」と激励。

●●●「再生可能エネルギー促進法」成立が退陣の条件
菅首相が市民集会で表明
菅直人首相は15日、再生可能エネルギーの促進を目指す市民や超党派の議員らの集会で、今国会での再生可能エネルギー促進法の成立を自身の退陣の条件とする考えを示した。
「菅の顔だけはもう見たくないという人が結構いる。本当に見たくないなら、早くこの法案を通した方がいい」。首相はこのように語り、この法案が成立するまでは総理の職を辞さない意思を表明した。
再生可能エネルギー促進法案は太陽光、風力などの自然エネルギーの利用を促進する目的で、電力会社に固定価格での電力の買い取りを義務づけるというもの。東日本大震災が発生した3月11日の午前に閣議決定されたが、国会審議は始まっていない。
国会内で開かれたこの集会には、超党派の議員らのほか、自然エネルギーの推進に積極的な発言を続けるソフトバンクの孫正義社長や音楽プロデューサーの小林武史氏らも参加した。
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◎参考動画３：6月18日

■マル激トーク・オン・ディマンド 第531回（2011年06月18日）
原発震災を防げなかった本当の理由とは
ゲスト：古賀茂明氏（経済産業省大臣官房付）

この震災、とりわけ原発震災は本当に防げないものだったのだろうか。また、仮に想定
外の大地震と大津波によって原子炉の一部が破壊されたとしても、その後の被害がここま
で拡大することを防ぐことはできなかったのだろうか。
3月11日の震災以前から、日本では官僚のあり方がたびたび問題にされてきた。戦後復興から高度成長にかけての「欧米に追いつけ、追い越せ」の時代は、政府の意思決定を官僚に任せておけばよかった。しかし、その後日本が成熟社会への転換を図らなければならない局面を迎えた時、官僚が牛耳る「おまかせ政治」のままでは方向転換ができないと言われて久しい。
一昨年の政権交代では、民主党が脱官僚を旗印に政権を奪取したが、その後の「政治主導」の迷走によって脱官僚のスローガンは大幅にトーンダウンしてしまった。
今回の震災とその後の対応、とりわけ東京電力の賠償スキームなどを見る限り、官僚機
構の問題点が何も解決されていないことは明らかだ。そうした中、この震災は、これまで
われわれが手をこまねいてきた政治や行政の問題点が、一気に吹き出したものであり、同
じような悲劇を繰り返さないためには、国家公務員制度の改革が急務であると公言しては
ばからない現役官僚がいる。それが経済産業省の古賀茂明氏だ。
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◎安住追記：
発売中の「週刊エコノミスト」（毎日新聞社）の巻頭の「闘論席」に今週は、古賀茂明氏が明快な短文を寄せています。要旨を下に記します。
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「何が何でも原発推進」＝「国家の意思」＝「自民党の意思」すなわち「利権の構造」だった。それは「国民の意思」ではなかった。
旧政権下で、
再生可能エネルギーは明らかに差別されてきた。電力会社の独占利益享受を許してきた。
今こそ「「国民の意思」の実現、「何が何でも再生可能エネルギー」への挑戦のときだ。
スタートは、「何が何でも情報公開」である。

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参考サイト：
孫正義さんの提案で、「原発がどんなものか知ってほしい – 平井憲夫」　が中国語、英語に翻訳されています。  RT全ての人々に読んで欲しい。皆で世界中の言語に翻訳しませんか？ youteacher.asia

（以上）

投稿者 Max 時刻: 23:26